NHKスペシャル:病の起源(うつ病)
2013年 10月 20日
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まとめると、
①起源は「魚類」の時代に備わった扁桃体
②「天敵」「孤独」「記憶」「言語」で扁桃体が反応し
扁桃体が発生させるストレスの度合いが強い・長いとうつ病が発症しやすくなる
③最新治療法2つ「ドイツの電極埋め込み手術」と「TLC 生活改善療法」
特に運動は、うつ病によって委縮した脳内ネットワークを回復させる働きがある。
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●うつ病の原因=扁桃体の活性化とその影響による脳萎縮
扁桃体がストレスホルモンを過剰に出し続けることによって
脳のネットワークが委縮していく。
扁桃体が活性化するのは以下4つの場合
・天敵(の脅威)
・孤独(の恐怖)
・記憶(恐怖の経験、辛い経験)
・言語(による他者の恐怖体験の共有)
古代の海で、まだ節足動物が闊歩していたころ、人類の祖先である魚類が生まれた。
魚は「脳」によって全身を集中管理できる画期的な進化を遂げていて、
その脳には「扁桃体」と呼ばれる部位があった。
天敵の脅威を感じると扁桃体が活性化して全身にストレスホルモンを放出する。
ストレスホルモンによって全身の筋肉が活性化しその瞬発力で天敵から逃げる寸法。
しかし、この「扁桃体」の誕生が「うつ病」の起源であると考えられている。
●魚類にも「うつ病」がある?
飼育水槽で天敵と一緒に1か月ほど飼育された魚は、通常の魚のように動き回らず、
水槽のしたでじっと動かない状態になる。
ストレスホルモン量を図ると、通常の倍近く検出された。
「天敵」によって扁桃体が活性化し続けストレスホルモンが脳にダメージを与えて
こうなったらしい。
●チンパンジーにも「うつ病」
感染症の疑いで仲間と1年半ほど隔離して治療を行ったチンパンジーを
群れに戻したところ、そのチンパンジーだけ、まったく動かずに部屋からも出ずに
寝て過ごしていた。
「孤独」によるストレスが脳にダメージを与えて、こうなっていると考えられる。
●狩猟民族だった頃は「うつ病」なんて無かった?
アフリカのある狩猟民族で「うつ病」と無縁な集落がある。
調べた結果、みな精神的にとても安定していて、自分に自信に満ち幸福感を感じて
いる。その理由は「平等」にあると考えられている。
その狩猟民族は獲物を捕らえると必ず20人ほどの集落全体で「山分け」する。
これが「うつ病」がいない理由らしい・・・。ちと強引な気もしないでもないが。
●「うつ病」の道へ
人類が狩猟中心の生活から、農業社会へと移行することで、「うつ病」への
道へ復帰してしまった。
●うつ病の対策
ドイツでは、扁桃体に電流を流し正しく機能させる試みが実施された。
手術で電極を埋め込み、症状が改善されている。
また、TLC 生活改善療法というものもある。
運動は委縮した脳内ネットワークを再生させる働きがあり、ストレスホルモン量を
正常化する働きがある。
これまで運動を取り入れた治療を受けた人の7割に改善効果が確認された。
定期的に運動をしましょうということ。